News & Informationニュース&インフォメーション 詳細

【レポート】映画祭は残り2日!『一粒の麦』の鈴木監督ご来場!6/23, 横浜

2017年6月24日

横浜、ブリリアショートショート シアターでの開催も19日目となり、いよいよ終了まで残り
3日となりました。快晴の本日は朝から気温もグンと伸び、29度と暑い一日となりました。

本日は、昼間はFuture City Yokohama Award作品含む「Future City Yokohamaプログラム」、そして「戦争と生きる力プログラムsupported by 赤十字 1」の上映がありました。

「Future City Yokohamaプログラム」終了後に『一粒の麦』の鈴木勉監督にご登壇を頂きました。
鈴木監督は2008年、映画祭史上初めて日本人でグランプリを受賞した経歴をお持ちです。
MCのDJジョンとの質疑応答で、鈴木監督は映画制作の経緯や撮影中のエピソードなど話をしてくれました。

「もともと、横浜市とショートショート実行委員会さんがショートフィルムを制作するという企画があり、僕に白羽の矢がたった、という感じです。」
「実は脚本の段階では、主人公の男女は40代を想定していました。話も伊丹十三監督の『タンポポ』をイメージして、女性の主人公がパン作りに苦戦している話だったのですが、映画祭代表でこの作品のプロデューサーでもある別所さんから『キャストは柄本明さんとシャーロット・ケイト・フォックスさんに決まりました!』と連絡が入りました(笑)。なので、急遽、脚本もこの二人に合うように、再構成をしていった感じです」
「最終的には柄本明さん演じる職人がパン作りに苦戦している設定となりました」
と話されました。

写真:『一粒の麦』の鈴木勉監督(左)

夕方、17時50分から始まった「ミュージックショート&ビデオプログラム2」 では、
『見えない、光』から高橋良多監督とキャストのサトウヒロキさん、小畑みなみさん、吉武紀一さん、『セミが鳴いた日』から、榊原有佑監督、キャストのすズきさだおさんと木野愛子さん、『矛と盾』から河原啓太監督、『さかさま東京』から長坂茂監督にご登壇を頂きました。

『見えない、光』は、年上女性との恋物語を、美しい映像とショパンの曲にのせて繊細に紡いだ作品。主演の一人のサトウヒロキさんはなんと、この作品が映画初出演。自然な演技とエモーショナルな感性を引き出した監督の腕も素晴らしかったです。彼女役の小畑みなみさんはこの作品でピアノを猛特訓。「小学生2年からピアノのレッスンを受けていますが、この作品の為に先生をつけて練習しました」とコメント。また、吉武紀一さん演じるアルバイト上司に怒られる役を演じた吉武紀一さんは、「監督のご実家での撮影で、待ち時間の方が長かったです。監督がウサギを飼ってらっしゃっているのですが、ウサギには懐いてもらえませんでした」と、映画とは全く関係の無いコメントで笑いを誘っていました。

写真:左から『見えない、光』の吉武紀一さん、小畑みなみさん、サトウヒロキさん、高橋良多監督

人気バンド・クラムボンの楽曲“ KANADE Dance”からインスパイアされた、夏の恋物語『セミが鳴いた日』。美しく光る水しぶきが男女の心象風景を演出した作品です。ロケ地は東京都あきる野市の渓流。3つの台風が同時にやってくるという天気予報だったそうですが、なんと撮影日は快晴に!ただ、川が増水していて、流れが強く、川の中にたてた三脚や機材が流れないようにした手も震えたそうです。

写真:右から『セミが鳴いた日』の榊原有佑監督、すズきさだおさん、木野愛子さん『矛と盾』はマキタスポーツさんが率いるビジュアル系バンド Fly or Dieの楽曲『矛と盾』のミュージックショート。
河原啓太監督は、「今回で3回目くらいの登壇ですけど、前に話しをしていなかった事をお話しします。マキタスポーツさんから作品内で出てくる3つのパーティーシーンに関してリクエストがありました。最初のカラオケボックスでのシーンは、ある囲碁クラブの打ち上げという設定。2つ目のスナックでのシーンは、ある携帯電話会社の打ち上げ、そして最後の宴会場面は、アップルのような某大手の会社に何十億、何百億とかで会社を買収された社員達という設定です」と非常にマニアックな話をされ、会場からもクスクスっと笑いが聞こえていました。

写真:『矛と盾」の河原啓太監督(左)

ピコピコとかわいいYMCKの音楽とともに、昔懐かしいTVゲームの中で冒険が繰り広げられる『さかさま東京』。長坂茂監督が持ってきたTシャツを着てMCのDJジョンも登場。「本当は監督が着たかったんだけど、着れなかったんだよ」とちょっと太め(失礼!)の監督を横目にジョーク。撮影は1日で行ったとのことですが、CGなどで細かい作業を要するため、制作期間は約2週間ほどかかったそうです。

写真:長坂茂監督とDJ John

写真:『さかさま東京』の長坂茂監督(右)

そして最後は「CG プログラム2」でした。
日本はもちろん、フランスやハンガリー、ブラジルなど、世界8ヵ国からの作品が集まったこのプログラム。特別上映作品の『イリオンとカリシア』と『ウォーターカラーズ』から、4名のゲストにご登場頂きました。

ギリシア神話のように壮大な世界観を、セリフを一切使わずに、アニメーションの力強さと巧みな構成でドラマチックに描いた『イリオンとカリシア』。村田充範副監督、CGディレクターの吉田裕行さん、そして音楽を担当したがチャッド・キャノンさんにご登壇をいただきました。
観客からは「インターネット等で配信をしないのか」という質問がでましたが、村田副監督は「今はわかりません。これからいくつか映画祭に回ったあと、可能性はあると思います。アニメ専門の情報サイトがあるので、是非、チェックしてみてください」とコメント。
音楽家のキャノンさんは、「昔、鹿児島と福岡に住んでいました。沖縄民謡などを勉強したこともあります」とコメント。
「台詞が無かったですが、もともと意図されていたのでしょうか」という質問に対して、村田副監督は「もともと、台詞は無しと監督は考えていました。やはり、5、6分のショートフィルムの短さでは情報量をなるべく少なくするようにしました」とコメント。
2Dと3D作品の違いについて質問を受けた吉田CGディレクターは、「人物周りはすべてCGです。背景などは従来の作画アニメです。全体的には90%以上はCGです。」とコメント。
制作期間は3ヶ月だったそうです。

写真:右から、村田充範副監督、チャッド・キャノンンさん 吉田裕行CGディレクター

水彩絵の具のキャラクターが、画用紙の上をいきいきと躍動するPOPなCGアニメーション『ウォーターカラーズ』。米岡孝監督によると、絵の具をモチーフに選んだきっかけは、「みていてワクワクする映像を撮りたい」というシンプルな思いからだったそう。「さまざまな色を持つ絵の具のように、自分らしい個性を大切にしてほしい」というメッセージが込められた作品です。また、会社に勤めながら週末などの時間を使い2ヶ月で作品を作り上げたということでした。

写真:『ウォーターカラーズ』の米岡孝監督(左)

さて、映画祭も土曜日と日曜日を残す2日の開催となりました。映画祭最後の週末、皆様のご来場をお待ちしております!

(フェスティバルディレクター東野)

 

Archives以前のニュース

Informationお知らせバナー