What's Short?

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短編映画と呼ぶのは、ちょっと...。
ショートフィルム。日本語風に短編映画と訳してしまうと、何だか堅苦しいものに聞こえてしまい不思議です。昨年の「アメリカン・ショート・ショート」をご覧になった方はおわかりの通り、単に上映時間の短い映画をこう呼ぶと説明するだけでは、このジャンルの魅力を全くしきれていません。実は、長さの点でもこのショートフィルムには、明確な規定があるわけではなく、一般的には30分以下程度の長さのものを指すことが多いのですが、今年の参加作品を見ても、一番長いものが、ドキュメンタリー作品の『The Personals』(37:00)、一番短いものが実験作品の『Seventeen Seconds to Sophie』(0:55)と、さまざま。作品カテゴリーも、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマ、アニメーションと実に多彩です。
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新映像作家の名刺代わり
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* what's short?を説くカギは、なぜ、ショートフィルムがつくられるのかを知るところにあるでしょう。よくイラストレーターやカメラマンが、自分を売り込む時、便利なように、作品をまとめたファイルを持ち歩くことがありますが、ショートフィルムも、フィルムディレクター(監督)にとっては、そういう役割を持ちます。つまり名刺代わりとうわけです。映画監督の道を歩む人にとっては、人柄や口をついて出る言葉よりも、作風や、今後表現したいものが伝わる作品こそが、自分を理解してもらう唯一の手がかりなのです。


ハリウッドへのパスポートにも
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* もちろん作風を人に知ってもらうためだけに映像をつくるわけではなく、単独で作品として楽しめることを目的にしています。なかには将来、自分が作りたい長編映画のパイロット版という意味合いで作る監督もいます。いずれにしても予算も少なく、人も、時間も足りない中で、将来への道を切り開くため、監督が考え得る最大限の知恵が、短いフィルムに凝縮されているわけですから、メジャー作品に勝るとも劣らぬ、観る者に訴えてくる作品も少なくありません。そして何人かは、その作品をきっかけに、ハリウッド監督への道を歩みます。たとえば、昨年、第1回目の「アメリカン・ショート・ショートフィルム フェスティバル」に、過去に制作したショートフィルムをご提供いただいたジョージ・ルーカス氏。彼は、南カリフォルニア大学在学時に「THX 1138 4EB」を制作、これが評価されたことが、フランシス・コッポラとの出会いにつながり、メジャーへの扉を開きました。他にもスピルバーグ、コッポラ、タランティーノ、どんなメジャー監督も出発は、ショートフィルムだったのです。


新しいエンターテインメントのジャンルとして
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* メジャー作品に劣らぬシャープな切れ味と見終えた後の余韻。ショートフィルムは、明日の才能発掘という意味合い以上に、エンターテインメントしての魅力に溢れています。 アメリカでもショートフィルムだけを集めた映画祭が大人気で、日本でも昨年、はじめて行われた「アメリカン・ショート・ショート フィルムフェスティバル」をきっかけに、関心が高まり、今年は5都市での開催が決定。映像コンテンツが、これまで以上に注目される時代に、新しいエンターテインメントとして、ますます注目を集めるでしょう。



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