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SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2015

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【動画・書き起こし配信】冲方サミット×ブックショート#1:冲方作品の二次創作解禁・新人発掘プロジェクト「冲方塾」
2015-07-09

ショートショート フィルムフェスティバル & アジアが二次創作をテーマに短編小説をWEBで公募し、大賞作品をショートフィルム化、ラジオ番組化するプロジェクト「ブックショート」。SSFF & ASIA 2015内で人気作家 冲方丁氏を中心に、出版社やビデオメーカーのスタッフが集結した組織 「冲方サミット」とのコラボイベントを開催し、冲方作品の二次創作解禁・新人発掘プロジェクト「冲方塾」の詳細が発表されました。今回解禁されたのは、「マルドゥック・シリーズ」「天地明察」「もらい泣き」の3作品。1,000文字以上10,000文字以下の短編小説をブックショートWEBサイトにて募集中!

『冲方サミット×ブックショート』

 是非動画もご覧ください!

※6月6日(土)にSSFF & ASIA 2015内で開催されたイベントの動画と書き起こしです。


司会:「冲方塾」は冲方さんの作品「マルドゥック・シリーズ」や「天地明察」、「もらい泣きなど」を受賞された新人賞だと聞いております。まず、冲方さんから概要を説明していただけますでしょうか。きっかけが二次創作の解禁だったということなんですけども。

冲方氏:はい、そうなんですよ。自分のコンテンツの一部をフリー化することによる新人の育成、広告効果、その他業界への貢献をするというのが僕のモットーなんですけど、かなり前のサミットで上げたものの、その後の話し合いで、権利関係や過去、聞いたことも無いような問題とかが入ってきてなかなか進まなかったんですが、皆さんの力でこうして形になりました。僕の作品、僕が原作権をもっていてフリー化できるものを対象に、かつ範囲を非常に狭めまして、新人賞というガイダンスに基づいて提出してもらう。そうすることで、二次創作の公認化のひとつの流れができるのではないか、と。

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山本氏(講談社):二次創作解禁というお話を聞いて、世の流れを見てもコミケに3日間で80万人とか、政令指定都市並みの人が来る世の中で、いわゆる二次創作するものが、もはや昔の同人的な遊びの場から、新しい表現の場になっているだろうなという実感があります。その中で、やっぱりいろんな方に読んでもらっている冲方さん作品を、いろんな方にいじり倒してもらおうということを雑誌の中でオープンにやっちゃおうじゃないかと。今までもその…解禁という形ではあったんですけど、やっぱりルールがすごく多い。で、ルール集ができちゃって、みんな同人誌ルールよりは、(二次創作は)ちょっと敷居が高いなーということがあったんですけど、今回冲方さんが全部アリだよと、書きたいものを書きたいなら書けと。ただし、面白いかどうかは見ちゃうよっていうところはありますけど。

冲方氏:そこですね。やっぱり一番見るのは。表現の形態よりもやっぱり中身を見させていただきたいなと思っております。

山本氏:そうですね。入り口として新人賞という形をとりますけれども、その後、冲方サミットとして定期的にこういう会をやっているので、もうちょっと小さなところでですけど(笑)。そういうところで、公開審査といいますか、ワークショップというような言い方をしていますけど、みんなでもっとこうした方が面白くなるんじゃないの?とか、引き算で批判するというよりは、もっと面白くしていこうよ、という会をこれから定期的に行って、とりあえず10月を締め切りにして皆さんにどんどん応募してもらおうという形をとれればと思います。

冲方氏:ワークショップ、新人賞、二次創作に関する議論の場、ぼくらの作品の宣伝、もしかすると新しい何かが生まれるかもしれないという可能性も兼ねた、場をつくりたいと思っております。

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山本氏:本当に冲方さんだからできる試みだなというふうに思っているというか、ここまで多くの作品をフリー化する方ってなかなかいらっしゃらないと思います。

冲方氏:いやいや。本当にあの、先ほどの松下さん(冲方サミットメンバー)のおっしゃったハフナーの漫画のように、過去絶対にない転用なり、自分の解釈をきちんと形にした作品を書ける人がいたら、もう・・・働けと(笑)。「ちょっとお前こっち来い!」と。

ここで話していいのかわからないけど、一回短編が使われて漫画になったじゃないですか。

山本氏:言っちゃいますかそれを。

冲方氏:あれも応募していい。もう一回応募しなおしていい。あれだけ書く努力をするやつがいるんだったら、一回怒るけど、怒った後許すから応募しなさい。もう一回。

山本氏:パクリではないと。

冲方氏:主人公を男から女に変えるというのはすごく難しい。あるいは、動物から人間に変えるとかね。できるんだから、最初から言えよと。

山本氏:ドーンとね。(苦笑)

冲方氏:出した後にバレるんだから。怒るけど、それ以上怒んないから(笑)

山本氏:いや、だからある種アレですかね、落語ってあるじゃないですか。アレってひとつのお話でも演じる人が違うと全然見方が変わってくる。でも面白さの根幹というのはあって、それを皆が継承していくみたいなね。そのお話しの中心にあるのが、今回でいうと冲方さんの作品になるのかなという風に思うんですけどね。

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冲方氏:(冲方塾の)詳細は改めてホームページでご覧になっていただくことになると思うんですけど、まずは僕が完全に原作権をもっているところから始めますと。なので、「天地明察」「マルドゥック・シリーズ」「もらい泣き」、時代モノ、SFモノ、現代モノ、これをどんな風にいじり倒してもらおうと構わない。で、使えそうな人がいたら、ここらへんの人たち(編集者のみなさん)が声をかけにいくと。

山本氏:買いに行きます。

冲方氏:肩をつかみにいきますよ。「逃げるな」って(笑)

司会:冲方さんの作品に対して愛が強いファンの方がたくさんいるので、本当にいい企画だなと思います。冲方サミットに参加している各社は、それぞれ分野が違うので新人賞の形も様々だそうです。「漫画部門」「小説部門」そして、「動画部門」もあります。

司会:講談社様、ご説明をお願いしてもよろしいでしょうか。

山本氏:「漫画部門」に関しては、pixivさんという動画投稿サイトといっしょにやらせていただいて、アカウントさえとれば気軽にアップできるようにしています。いわゆる一番書きたいページを8ページ完成原稿として、残りはコンテンツというか「ネーム」とわれわれは呼んでいるんですけれども、いわゆる下書きになるようなものを送っていただければ結構ということなので、割と敷居は低い感じにしてあります。

冲方氏:コミックで重要なのは、完成していなくても送っていいということですね。あるページ、あるネームを見れば、こっちは大体どれくらい書けるかということはわかるので。ネームを書いていると、たぶん退屈な部分と盛り上がる部分があるんですけど、盛り上がる部分だけペン入れして退屈なところを後回しにしてそのまま送っても可!っていう非常にゆるくなっております。で、あの賞金なんですけど個人的にもうちょっと低くてもいいんじゃないかっていうね。いろいろ人を育てようとした経験からですね、クリエイターに給料払うと働くなるっていう(笑)。本当に働かなくなるんですよ。ま、これくらいがほどほどかなって。昔、集英社さんが某漫画賞で受賞者に3000万あげたっていうのがあったですけど、5年間漫画のことしか考えなくていいようにするっていうことで3000万あげたら5年間まったく働かなくなるっていう。5年後まったく使えない人間になってしまうっていう。だから、あなたが稼ぐ、あなた自身がその身の中に養う財産をこちらが与えるきっかけなんだから、財産自身をつくるのは皆さんですよと。

司会:そうですよね。ハングリー精神も大事ですしね。

山本氏:たしかに今回は賞金が高い云々というよりは、「公開打ち合わせ」というような感じでさんも交えて、編集っていつもこんな感じで物語に関わっているんだということろを共有してもらいながら一緒に作っていくさまをご覧いただくというのが主眼というか。みんなで楽しんでいくというか。

冲方氏:プロの人たちがたまに遊ぶ場にもなってほしいし、初めてやるという方に優劣をつけるのではなくて、こういう風にやるともっと楽しめますよ、という場になるといいなと思っています。

司会:8ページならかけるかもしれないですよね。描かないと始まらないですし、冲方さん本人に見てもらえるなんて夢のような話ですよね。各社のみなさん、こんな作品を読んでみたい、というのはありますかね?

山本氏:「シドニアの騎士」を書かれている弐瓶勉さんなんですが、もうひとつの代表作『BLAME!』の主人公たちが学校にいたらというような漫画をSFなのに描かれている。ようはご自身が「術」として遊んでいらっしゃる、と。学園モノにするというのは(二次創作の)大定番ですが、遊べる一つの形だと思いますね。「進撃の巨人」でいうと「進撃!巨人中学校」というリヴァイたちが中学生だったらという、ただそれだけの漫画なんですけど。けっこうそれが50万部くらい売れたりするんですね。キャラクターを楽しくいじることで、それはそれとしてファンの人たちが喜んでくれるというところもあるし、ご自身も描いていて楽しいと。まず、そういうところから入って頂いてもいいんじゃないかなと。

続いて#2では、いよいよブックショートも関わる「小説部門」のお話です!ご期待ください。

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■ブックショートについて
おとぎ話や昔話、民話、小説などをもとに創作した短編小説をWEBで公募し、大賞作品をショートフィルム化やラジオ番組化するプロジェクト。

■冲方塾について
プロ、アマいずれも問わない「二次創作による新人発掘プロジェクト」です。冲方塾では、「人材育成」を念頭に置いた二次創作解禁の機会として漫画と小説の「新人賞」を設置、「作品広告」を念頭に置いた二次創作解禁の機会として「作品応援動画の公募」を行います。また、上記二つを目的とした冲方氏や編集者やプロデューサーによる公開講座などのイベントをワークショップとして開催します。

■応募内容:新人賞(漫画部門・小説部門共通)
「マルドゥック」シリーズ(小説『マルドゥック・スクランブル』、小説『マルドゥック・ヴェロシティ』、小説『マルドゥック・フラグメンツ』、
小説『マルドゥック・アノニマス』、小説『マルドゥック・フラグメンツ』)『天地明察』『もらい泣き』のテキストが「フリー素材」に!

■応募期間:6月6日(土)~9月15日(火)まで

■小説部門 応募形式:1,000文字以上10,000文字以下。必ずしも起承転結している必要はなし。

■賞
・グランドチャンピオン
・特別賞(参加各社がとくに推したい作品がある場合)

小説部門の応募はコチラ

「冲方塾」公式サイト


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