【レポート】ヨーロッパよりお届け! ヨーテボリ国際映画祭

【レポート】ヨーロッパよりお届け! ヨーテボリ国際映画祭

日本でもベルリン国際映画祭の様子がニュースなどで報道されましたが、ヨーロッパではベルリン国際映画祭だけでなく、他にもいくつか映画祭がほぼ同時期に行われました。ここでは、スウェーデン・ヨーテボリで行われた ヨーテボリ国際映画祭をレポートします!

—–(この記事はSSFF & ASIA ボランティアライターの協力で制作されました)—–

 

ヨーテボリの街並み

Per Pixel Petersson/imagebank.sweden.se

ヨーテボリ(Göteborg)は、ストックホルムに次ぐスウェーデンの第二の都市です。

 

ヨーテボリ国際映画祭

Göteborg Film Festival

ヨーテボリで毎年1月下旬〜2月上旬に行われるヨーテボリ国際映画祭 (Göteborg Film Festival) は、北欧最大の、北欧映画をメインに上映する映画祭です。最新の北欧映画がチェックでき、北欧映画好きにはたまらない映画祭です!

 

ラップランド

Lola Akinmade Åkerström/imagebank.sweden.se

今年のヨーテボリ国際映画祭のフォーカスは、ラップランド(Lapland / Sápmi)。ラップランドとは主にサーミ人(Sámi)が住んでいるスカンディナヴィア半島北部を指します。現在のノルウェー・スウェーデン・フィンランド・ロシアにサーミ人は主に居住していますが、歴史の中で、サーミ人は差別や偏見に苦しめられてきました。

昨年の東京国際映画祭でも上映された、サーミ人の血を引くアマンダ・カーネル(Amanda Kernell) 監督の長編映画『サーミ・ブラッド(Sameblod)』。1930年代のスウェーデン北部に住む、14歳のサーミ人の少女、エラ・マリア(Elle Marja)は、普通のスウェーデン人と同じように勉強や生活がしたくて、1人故郷を飛び出すことを決意します。(当時のスウェーデンではサーミ人がスウェーデン人と同じ学校に通うことは許されなかったようです。)サーミ人のことについてあまり知らない私たちにとってはすごく衝撃的な作品です。

サーミブラッド

Göteborg Film Festival

 

大半を占めるのはやはり長編映画ですが、ヨーテボリ国際映画祭ではショートフィルムも数多く上映されました!今年は、スウェーデンの最新ショートフィルムプログラムだけで9プログラムが用意されました。他にも、北欧ショートフィルムプログラムや、サーミショートフィルムプログラムなども上映されました。

I will always love you

Petrus Sjövik

I will always love you, Kingen / Amanda Kernell / 30分 / スウェーデン・デンマーク

『サーミ・ブラッド』のアマンダ・カーネル監督の製作したショートフィルムも、今年のヨーテボリ国際映画祭で上映されました。『I will always love you, Kingen』は、サーミ人に関連したものではありませんが、スウェーデンの美しい雪景色を背景に描かれるヒューマンドラマです。

always love you

Petrus Sjövik

コニー(Conny)の彼女は妊娠していて、まさに陣痛が起こっています。コニーはそんな彼女を雪の中病院に連れて行っているのですが、病院に着いたところで、怖気づいて逃げてしまいます。コニーは彼女とその家族から許してもらえるのでしょうか…?

 

Syskon

Aurora Alänge

Syskon / Aurora Alänge 監督 / 39分 /スウェーデン・アメリカ

また、夏のヨーテボリを舞台にした『Syskon』というショートフィルムは、スウェーデンの夏のさわやかな景色を背景に、夏休みに家に2人きりで残された思春期の兄妹の関係性を繊細に描いていました。

エミリアは内気な少女で、アドリアンは友達が多く活発な少年。両親のいない中夏休みを2人だけで過ごさなければならず、正反対ともいえる2人は衝突を繰り返します。

兄妹という存在は、一緒にいるのが当たり前と思ってしまい、相手を思いやる気持ちを忘れてしまいがちですが、そういった姿勢だとエミリアとアドリアンのように関係性が悪くなってしまいます。果たしてエミリアとアドリアンは関係を改善することができるのでしょうか…?

ショートフィルムの中でも出てくる、スウェーデンで6月に行われるMidsommarというパーティーがあります。 すごくカラフルでオシャレで、こんなパーティーに一度は参加してみたい!と思わせられます。

どちらのショートフィルムも、それぞれ30分と39分と、ショートフィルムの中ではやや長めです。ショートフィルムとは、何分以内であるべきだ、という世界的なルールは存在せず、各映画祭で規定が決められています。ショートショート フィルムフェスティバル & アジアではエンドクレジットを含み25分以内とされています。ご紹介した2つのショートフィルムは残念ながらその規定には添わないのですが、今年のヨーテボリ国際映画祭では、30分以上のショートフィルムがたくさん上映されました。今年のアカデミー賞ノミネート作品も長めの作品が多いようで、これは今年のショートフィルムの傾向かもしれません!

ヨーテボリ国際映画祭が終わりに差し掛かった頃に、フランス中西部の街クレルモンフェランでは、ショートショートスタッフも参加したクレルモンフェラン国際映画祭が始まりました。

ヨーロッパでは常にどこかの街で映画祭が行われています。 カンヌ国際映画祭は、招待された映画関係者でないと参加することは難しいですが、それ以外の映画祭は、一般の人でも楽しめるようになっています。 ヨーロッパ内はかなり安い値段で移動できるので、他の国や街の映画祭に足を運ぶことも夢ではありません。ヨーロッパはまさに映画ファンにとっては夢のような場所です!

 

—–(この記事はSSFF & ASIA ボランティアライターの協力で制作されました)—–

ライター情報 岡村友梨子

イギリスのロンドン大学キングス・カレッジで映画学の修士号を取得後、拠点をドイツ・ベルリンへ移し、映画のプロダクションとキューレーションに携わる。
執筆のご依頼やメッセージはyurikokamura@gmail.comまで。
Twitterアカウント: lily0146