SSFF & ASIA 2025秋の国際短編映画祭クリエイター交流会
「元AMAZON STUDIOS日本代表に聞く、日本コンテンツの可能性」
アーカイブ映像を公開
10月に開催した秋の国際短編映画祭で実施(会場:LIFORK HARAJUKU)、元Amazon Studios日本代表として数々の話題作を手がけ、グローバルと日本の両市場を知り尽くす早川敬之氏を迎え、日本コンテンツの魅力や独自性、アジア・北米など地域ごとの市場特性、日本が抱える課題とその解決策、資金調達や狙い目となる国・地域、オリジナルIPを国内外で成功させるための戦略を語るクリエイター向け特別セミナーの模様をアーカイブ映像として公開いたしました。
〈セミナーレポート抜粋〉
日本のエンタメ産業が自動車に次ぐ輸出産業に──
映像プロデューサーの早川貴之氏は、最新の産業データを引用しながら「日本のコンテンツ産業は今や輸出額で半導体を超え、自動車に次ぐ第2の稼ぎ頭になっている」と述べ、映像・アニメ・ゲームを中心としたエンターテインメントが日本経済を牽引している現状を解説しました。
経済産業省の調査によると、国内コンテンツの輸出額は近年5.8兆円に達し、世界全体でも石油化学を超える規模に拡大。
アニメやマンガを起点にした映像化・グッズ展開・テーマパーク事業など、日本発のバリューチェーンが国際的競争力を持つことを強調しました。
「日本語コンテンツはもはや翻訳を前提とせず、海外の視聴者は“字幕で本物を見たい”という時代になっている」と早川氏は語ります。 一方で、良い企画や作品を生み出すためには「境界を越える力」と「信頼の関係性」という2つの要素が欠かせないと指摘。異なる分野・人との出会いが新しい発想を生み、制作段階では深い信頼に基づくチームワークが成功の鍵になると語りました。
さらに、「作品を作るだけではなく、きちんと収益化の構造を設計することが重要」として、海外の配信ビジネスモデルを紹介。Netflixや韓国ドラマの事例を挙げ、「グローバル配信では撮影開始時点で収益回収の仕組みが確立している」と述べました。
最後に早川氏は、「今後はAIやWeb3など新技術によって、東京にいなくても地方から世界へ発信できる“エンタメの民主化時代”が始まる」と締めくくり、クリエイターが国境を越えて挑戦するためのヒントに満ちたセッションとなりました。
今春オープンするクリエイター向けコワーキング/シェアオフィスのLIFORK H/Qでは、会員に向け、このようなセミナー・交流会のイベントを開催予定です。ぜひご期待ください!