日本初、認知症に特化したショートフィルムコンテスト 第1回なかまぁるShort Film Contest授賞式を開催
「優しさにあふれている」受賞作品をLiLiCoさん絶賛

日本初、認知症に特化したショートフィルムコンテスト 第1回なかまぁるShort Film Contest授賞式を開催
「優しさにあふれている」受賞作品をLiLiCoさん絶賛

日本初、認知症に特化したショートフィルムコンテスト
第1回なかまぁるShort Film Contest授賞式
「優しさにあふれている」受賞作品をLiLiCoさん絶賛
『カメ止め!』のどんぐりさんがセーラー服姿で演じる 海蔵亮太さんのMV
『愛のカタチ』がミュージックビデオ特別賞を受賞!
2019年10月7日 (月) 19:00 ~21:00 / 会場:浜離宮朝日小ホール

米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)を展開するショートフィルムの総合ブランドSHORTSHORTSと、朝日新聞社が運営するウェブメディア「なかまぁる」は、2019年6月18日~8月20日まで実施した、日本初となる認知症に特化したショートフィルムコンテスト「第1回なかまぁるShort Film Contest」の受賞作品の発表および上映イベントを開催いたしました。また、あわせて映画コメンテーター/タレントのLiLiCoさん、「おれんじドア」実行委員会代表/なかまぁる特別プロデューサーの丹野智文さんらと語るトークイベント「認知症のイメージを変えるショートフィルムの可能性」を開催いたしました。
認知症の新しいイメージを創っていくショートフィルムとして応募された作品総数は37点。
その中から丹野智文特別賞、優秀賞、最優秀賞の3点と、ミュージックビデオ特別賞の受賞作品が発表されました。
自身も認知症ながら、認知症の相談窓口「おれんじドア」を立ち上げている丹野智文さんからは介護士ラップユニットのミュージックビデオ、川端真央監督の『介護しよう。MV feat.おばあちゃん』に特別賞が授与されました。
『英爺』で優秀賞を受賞した小野光洋監督はネガティブな話が多い認知症を、映画ならではのおとぎ話的な世界観で描き、コミュニケーションの大切さを表現したと説明。
海蔵亮太さんのMV『愛のカタチ』でミュージックビデオ特別賞を受賞した加藤マニ監督は、認知症だった自身の祖父母のことを思い出しながら作ったことを紹介。この作品に主演した 『カメラを止めるな!』の名演技で有名などんぐりさんは認知症という難しい役柄に挑戦し、少女時代の回想シーンではセーラー服姿を披露。認知症については、「家族が認めることが大切」とコメントしました。
最優秀賞に選ばれた『The Right Combination』は坂部敬史監督がアメリカで撮った作品。「実はマーティン・スコセッシが撮ったの?」とLiLiCoさんが冗談交じりに聞くほど、作品には映画ならではのスリリングさ、笑い、最後のクライマックスといった要素が備わっている、「最も期待したい監督」と称賛されました。また、丹野智文さんは本作が(認知症であっても)自立していることが当たり前の設定でスタートしている点に着目。「認知症の人に何をしてあげるか、ではなく、認知症の人と共に何をするのか」という考え方を普及させていきたい、と熱く語りました。
なお、当日上映いたしました受賞3作品ならびにノミネート作品は10月中旬より「なかまぁる」のサイトにて公開予定です。
https://nakamaaru.asahi.com/
※公開開始時期ならびに公開作品数は変更になる場合があります。

後半のトークイベントでは、LiLiCoさんが改めて「優しさに包まれている」と全作品についての感動を述べ、一方で、現在の日本で起きている問題は「コミュニケーション不足が原因」、と指摘。故郷スウェーデンで人々が優しく触れ合う「タクティール」の習慣を例に、日本でも自然とハグしあうような、直接人と向き合うコミュニケーションの大切さを語りました。
また、SSFF & ASIA のアンバサダーでもあるLiLiCoさんは、「短い時間の中だからこそ、たくさんの伝えたいことを削っていかねばならないショートフィルムは、観る人の心にストレートに刺さる強さがある」とショートフィルムの魅力を紹介。丹野さんは「そんなショートフィルムを、認知症当事者が作ることに挑戦してみたい」と、今後の本コンテストの展開についても期待を寄せました。


受賞作品(全4作品)

最優秀賞
『The Right Combination』
監督:坂部敬史(さかべたかふみ) / 14:21 / アメリカ / フィクション / 2014


金庫を開けようと家に忍び込んだ若い泥棒が住人のおじいさんに見つかってしまうが、
おじいさんは泥棒を自分の息子だと思い込む。


(監督プロフィール)
1986年生まれ。幼少期はゴジラやスターウォーズを観て育つ。高校生の時に学園祭用にクラス映画を作り、映画制作の楽しみに目覚める。大学や就職後も細々と映像制作を続ける。2013年夏、渡米し、NY、LAにて映画制作を学ぶ。2015年、帰国。
MVやCMの制作会社で働く傍ら、次の作品の構想を練っている。牛丼が好き。

 

優秀賞
『英爺』
監督:小野光洋(おのみつひろ) / 13:41 / 日本 / フィクション / 2019

女子大生のチカは公園で奇妙なお爺さんに出会う。誰もいない公園の広場で英語の授業をしていた。英語が大の苦手だったチカは、そのお爺さん・銀次郎に英語の個人指導をお願いする。銀次郎は昔、高校の英語教師だった。とっくの昔に定年退職していたが、いまだに高校の教員であると思い込んでいた。認知症が進行している銀次郎は、時々奇行に走った。その一方、英語力だけは衰えていなかった。そんな銀次郎にチカは親しく接し、仲良くなる。


(監督プロフィール)
1966年東京都生まれ。1985年千葉大学に入学。映画サークルに所属し、自主映画製作に携わる。卒業後も自主映画製作を精力的に続け、現在に至る。

 

丹野智文特別賞
『介護しよう。MV feat.おばあちゃん』
監督:川端真央(かわばたまお) / 4:31 / 日本 / フィクション / 2014


介護士ラップユニットQOLと、メンバーのshow-k(小菅祥太郎)の実の祖母によるミュージックビデオ。


(監督プロフィール)
慶応義塾大学総合政策学部2年。
一年前に大学の課題でQOLにインタビューした事をきっかけに今回の作品に参加。

 

ミュージックビデオ特別賞
『愛のカタチ』
監督:加藤マニ(かとうまに) / 5:39 / 日本 / フィクション / 2016


映画『カメラを止めるな!』の名演で知られる「どんぐり」初MV主演作品。認知症の女性という難しい役ながらもどんぐり流の個性溢れる演技が光る”笑いあり、涙あり”の実に愛情豊かな作品に仕上がっている。


(監督プロフィール)
1985年東京都生まれ。2008年早稲田大学川口芸術学校卒業。フリーランスとして2012年独立。ミュージックビデオ監督としての活動を始める。2014年冨田ラボ「この世は不思議feat.原由子、横山剣、椎名林檎、さかいゆう」、2015年にキュウソネコカミ「ビビった」で「SPACE SHOWER TV MUSIC VIDEO AWARD」のBEST VIDEOを2年連続で受賞する。2016年マニフィルムス株式会社を設立。年間50本以上のミュージックビデオを制作する。


第1回なかまぁるShort Film Contest受賞発表&上映およびLiLiCoさん、丹野智文さんらによるトークイベント
主催:なかまぁる編集部
協賛:SOMPOホールディングス/東急イーライフデザイン
協力:パシフィックボイス
後援:厚生労働省/認知症フレンドシップクラブ/認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ/
日本認知症本人ワーキンググループ/認知症の人と家族の会/日本意思決定支援推進機構/
認知症未来共創ハブ/日本在宅介護協会
【「なかまぁる」について】
「なかまぁる」は、朝日新聞社が運営する認知症に特化したウェブメディアです。
多くの人が認知症を「自分ごと」としてとらえ、誰が、いつ、どこで、認知症になっても自分らしく、安心して暮らしていける「認知症フレンドリー社会」の実現と発展のために情報発信とコミュニティづくりに取り組んでいきます。 https://nakamaaru.asahi.com/