Cinematic Tokyo 部門

2017年に新設された「Cinematic Tokyo」部門。多彩な「東京」の魅力を国内外に発信するショートフィルムを全世界から募集するコンペティション部門です。撮影地が東京である作品だけでなく、「東京」を感じさせる題材や、思い出の「東京」、イマジネーションされた「東京」などの作品を対象としています。

SSFF & ASIA 2025では、世界44の国/地域から集まった197本の応募作品から選ばれた、5本のノミネート作品を上映します。

2025年度 Cinematic Tokyo部門 優秀賞 / 東京都知事賞

ガイジン
ガイジンGAIJIN

Michele Motzo / 0:18:30 / 日本 / エクスペリメンタル / 2025

本作は、東京を舞台にした7つの短い物語で構成されている。断片的でシュールかつ哲学的な語りが作品を導き、物語が次々と切り替わる。その間もずっと、巨大な頭が夜空に浮かび、人間とは何かを考え続けている。

東京都庁での受賞発表の様子

東京都庁での受賞発表の様子

監督の受賞コメント

心からの感謝と深い感動を込めて、このような栄誉をいただいたことに感謝申し上げます。この賞は、私の作品だけでなく、『GAIJIN』にインスピレーションを与えたすべての人間的、詩的、そして目に見えない断片にも光を当ててくださるものです。この映画の心臓部であるこの街で賞をいただけたことは、驚きと共に深く感動しています。私とチーム全員を代表して、私たちの歩む視線をこんなにも温かく受け入れてくださったことに、心より感謝いたします。

SSFF & ASIA 2025 アワードセレモニーの模様

SSFF & ASIA 2025 アワードセレモニーの模様

作品のおすすめポイント

この作品を言葉で表すのは難しいですが、テンポの速い詩集的な構成とムードの移り変わりが、物語の完成度よりむしろ情緒的な感覚を生み出しています。仕事、愛、お金、孤独、疎外感といったテーマを探求しながら、意識の流れのようなスタイルを通してスクリーンの中の孤独な登場人物たちを繋いでいるのです。資金などリソースが限られていても、物作りへの愛情と自己観察を組み合わせることで、有意義で楽しく感動的な作品を作ることができるということを証明していると思います。

東京都知事賞のトロフィー

東京都知事賞のトロフィー

ご自身が影響を受けた作品や監督について

直接作品作りに参考にはしていませんが、テリー・ギリアム監督の『未来世紀ブラジル』やデイヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』などが好きです。

監督:Michele Motzo

1991年生まれのイタリアの映画監督であり映像編集者。哲学を学んだ後ミラノへ移り、ビジュアルコミュニケーションの分野でキャリアを築く。彼の個人プロジェクトは、シュールで詩的な美学を探求し、ビジュアルストーリーテリングと感情の深みを融合させている。

ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2025
Cinematic Tokyo 部門ノミネート上映作品

  • まつぼっくりと牛丼A Pine Cone And a Beef Bowl

    中野美子 / 0:14:15 / 日本 / ノンフィクション / 2024

    東京・新橋駅前で「靴磨き」を生業する1人の女性がいる。中村幸子さん、92歳。彼女に靴を磨いてもらうと仕事が上手くいくという噂があり、「商売の神様」の異名を持つ幸子さん。令和の新橋に生きる”神様”の日常を記録した。

  • VRカレシVR Boyfriend

    Rodolfo Ogura / 0:09:19 / 日本 / SF / 2024

    バーチャルリアリティゲームの中の彼氏と付き合っている主人公は、現実の世界で生きていくことができない。

  • BariKari 真夏のマフラーBariKari knitted scarf in midsummer

    河野斉彦 / 0:02:17 / 日本 / アニメーション / 2024

    超バカップルのバリーとカリー。ある真夏の日、バリーがカリーからもらった手編みのマフラーをしてきたことで、巻き込まれる日常ノンストップコメディ。

  • 借りたKarita

    Virginia de Witt & Koji Ueda / 0:17:18 / 日本 / コメディ / 2023

    善人でいるべきか、悪に染まるべきか。東京にいるアメリカ人の彼女は、友人と恋心の間で揺れていた。

  • ガイジンGAIJIN

    Michele Motzo / 0:18:30 / 日本 / エクスペリメンタル / 2025

    本作は、東京を舞台にした7つの短い物語で構成されている。断片的でシュールかつ哲学的な語りが作品を導き、物語が次々と切り替わる。その間もずっと、巨大な頭が夜空に浮かび、人間とは何かを考え続けている。