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【現地レポート】5/31ユニバーサル上映会 @表参道ヒルズ スペースオー
2025.06.05
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
SSFF&ASIAは、 都内の各地会場で開催中です✨️
今回は、5/31(土)に表参道ヒルズ スペースオーで開催された上映会の中から「ユニバーサル上映会~Cinema is Inclusive~」をピックアップしてレポート。
ユニバーサル上映会~Cinema is Inclusive~
こちらのプログラムは、誰もが映画を楽しめることを目指したバリアフリー上映イベントです。
「視覚障がい者向けの音声ガイド」と「ろう者・難聴者向けの字幕ガイド」を備えた作品の上映を実施いたしました。
ガイド付きの作品はまだまだ限られており、そんなもどかしさを少しでもなくしたいという思いから開催され、クラウドファンディングも行なっておりました。
ご支援いただいた皆様には、お名前を作品の最後に掲載したり、上映会にご招待したりさせていただきました。ありがとうございました!
『演じる女』
監督:照屋年之(ゴリ)
主演:満島ひかり
『日の出を知らない街』
監督:増田彩来
出演:細田佳央太、井之脇海、小西真奈美、井浦新 ほか
音声ガイドと字幕ガイドを同時に付与して、こちらの2作品が上映されました。
このレポートを書いている私は、日本の映画を見る際に音声ガイドも字幕も普段使わないので、とても新鮮な上映会でした…!!
また、それらのガイドについて、言い回しが丁寧に考えられていることを知り、とても勉強になりました。人それぞれの「当たり前」について改めて考えさせられますね。
トークイベント
上映が終わったあとは、ろう者・字幕ガイド制作者の高畑寿延さんと、ろう者俳優の今井彰人さんにお話をお伺いしました!
手話通訳の方をお呼びしたり、ステージに要約筆記を投影したりとバリアフリーなトークイベント。
会場には、ろう者のご来場者さまもいらっしゃっていて、高畑さん・今井さんと手話でお話を交わしていました。
特に印象的だったのは、高畑さんがフィードバックを行った字幕ガイドの「電話の向こうから聞こえてくる」という表現に違和感を感じたというお話。
「聞こえてくる」表現が伝わりづらいのは、当事者の方に聞いてみないとわからない感覚だとハッとさせられました。字幕ガイドを利用される方の実際の声を聞くことができてとても興味深かったです。
身体障がいに関わらず、自分以外の人のことを自分だけで理解するのは難しいことだと思います。自分と違う部分、わからない部分があれば、お互いに素直に歩み寄っていくことが大事なのだと考えさせられました。
また、今井さんはろう者の役はろう者の俳優が演じるべきだと言います。
どうしてだろうと思い聞いていると、視覚言語には視覚言語の表現があるからだと。
視覚言語が身についていない人からすると同じ動作に見えても「ねえねえと呼ぶ時」「何回も呼ぶ時」「緊急事態が起きて呼ぶ時」などと、伝えたいことが全く違うのだと教えてくれました。高畑さんと今井さんに実演していただきましたが、正直違いがあまりわからなくて驚きました。そのお話にもすごく惹き込まれて、もっと深く知りたくなりました。
高畑さん、今井さん、すごく素敵なお話をありがとうございました。
トークを終えた2人には、手を叩く拍手と共に、会場から手話での拍手が送られました。(両手を上に広げて手首を回転させる、きらきら星のような動作)
これからユニバーサル上映を行う会場が増えますように。
ユニバーサル上映と言わなくなりますように。。
体験スペース
一方会場の外では、視覚障がいを模擬体験できる「ロービジョン体験メガネ」を試着できたり、移動できる点字部などが展示されたりと、
PLAYWORKS さんによる、体験ブースも✨
上映後に体験されている方も多く見られました。
この上映会は、「当たり前」を見直すきっかけになった新鮮な体験でした。
上映された2作品もとっても胸が熱くなる作品でした。こんなに素敵なショートフィルムに触れることができて幸せでした…!
この日は
「戦争と生きる力プログラム supposed by 赤十字」
「MILBOM BEAUTY PROGRAM 」
「Shibuya Diversity プログラム」
「コンペティション部門7」
と、たくさんの上映会がありました。
SSFF&ASIAはまだまだ続きます!
是非皆さまも、この出会いを体験しに会場へ足をお運びくださると嬉しいです♪
皆さまのご来場お待ちしております!