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~Nadira Ilana監督と振り返るクイーン・アン船上上映会~

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2025.05.12

米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)は、ラグジュアリーな船旅を提供し続けているキュナードと共に、香港、ベトナム、シンガポールを巡るクイーン・アンでのクルーズにて、船上ショートフィルム上映会を実施しました。

船上でトークイベントを行った『太陽と月が出会ったら』 “Were the Sun and the Moon to Meet” の監督 Nadira Ilanaさんとクイーン・アンでの体験を振り返りました。

インタビュー動画はこちらです:

 

こんにちは、私は映画監督のNadira Ilanaです!

私はマレーシア・ボルネオ出身の映画監督です。

ありがとうございます!クイーン・アンではどのようなことをされたのですか?乗船の目的は何だったのでしょうか?

はい。まず最初に、私の短編映画『太陽と月が出会ったら』を船上で上映する機会をいただいたことに対して、Short Shorts Film Festival & Asia、そしてCunardに心から感謝したいです。

トークセッションではどんな話をされたのですか?

昨年、Short Shortsからクイーン・アンでの上映にご招待いただきました。とてもワクワクしましたし、さらにトークセッションも依頼されたことに驚きました。

船上で映画を上映するのは初めてだったので、本当にユニークな体験でした。参加できたことをとても光栄に思います。

クルーズには何日間滞在しましたか?

クイーン・アンには5泊しました。

その日々はどのようなものでしたか?船上での体験はいかがでしたか?

私はこれまで多くの映画祭に参加してきましたが、こんな経験ができるとは思っていませんでした。

機内エンターテインメントの話は聞いたことがありますが、「船内エンターテインメント」というものは初めてでした。自分の短編映画を上映し、さらに国際水域でその内容について語るという体験はとても特別で、絶対に忘れない思い出になりました。

私たちは5泊6日を船上で過ごしましたが、本当に素晴らしくて豊かな時間でした。映画祭では通常一つの国を体験しますが、このクルーズでは海を渡りながら映画を通じてさまざまな国の人と出会い、映画を分かち合うという、まったく新しい形で国際映画を体験できました。

写真提供 キュナード

あなたを含めた4本の短編映画が上映されましたが、いかがでしたか?

クイーン・アンでは、Short Shorts Film Festival & Asiaによって選ばれた4本の短編映画が上映されました。とても巧みなキュレーションだったと思います。

私も普段映画上映のプログラムを手がけているので、選定には多くの思慮や労力がかかることを理解しています。私の作品が選ばれた理由のひとつには、ビーチのシーンがあったことも関係していると聞きました。他の作品も、海やダンスをテーマにしたものがありました。

乗客には年配の方が多く、社交ダンスを楽しんでいる方も多かったので、選ばれた4本の作品はとてもパーソナルで、観客も深く共感していたように感じました。

クルーズでの生活はいかがでしたか?

クルーズ船での生活は、ある意味とても非現実的でした。

大人になってからクルーズに乗ったのは初めてで、まったく別の世界のようでした。常に何かイベントがあるんです。アーチェリー、ダンス教室、カラオケ、ライブエンタメ…。今日はミュージカルも観ました。

話を聞いた中には「クルーズ船で映画を観るのは初めて!」という人も多くて、今回の旅の中でとても印象に残ったそうです。

中には何ヶ月もかけて世界を旅している方もいて、アジアを巡る中でアジアの短編映画を観ることができたのは、とても貴重な体験だったそうです。ヨーロッパやアメリカなど、他の地域から来た方々にとっては、アジアの映画監督たちの心や思考に触れられる素晴らしい機会になったと思います。

写真提供 キュナード

プレゼンテーションの内容についてもう少し詳しく教えてください。

プレゼン自体はそこまで「直前準備」というわけではなかったのですが、現地に来てから少し内容を調整しました。というのも、どんな観客がいて、どんな興味を持っているのか、全く分からなかったからです。

エンタメ部門のマイケルさんや素晴らしいスタッフの皆さんとお話をした後、私はトークのタイトルを「How I Learned to Relax and Love Making Short Films(いかにして私はリラックスして短編映画制作を愛するようになったか)」に決めました。

私は自国の少数派映画監督としての経験や、自分の映画制作の道のりについて話しました。

また、短編映画が自分の人生をどう豊かにしてくれたのか、自分自身をどう表現し、新しいことを学ぶ機会になったのかについても振り返ることができました。

現在、初の長編映画の仕上げに取り組んでいるところで、短編映画についての自分の経験や時にはキュレーション側としての視点も含めて語ることで、一つの章を締めくくることができたような気がします。そして、それを熱心な観客と共有できたのは本当に貴重な時間でした。

一番うれしかった瞬間は何ですか?

一番興奮した瞬間は、トークをしている最中に船が動いていたことです!

自分ではもっと緊張していたのに、波のせいで身体のバランスを取る必要があり、ボディランゲージがすごく開いていたおかげで、実際より自信満々に見えたと思います(笑)

大きなスクリーンで自分の短編を観るのも本当に感動的でした。映像の色も音も素晴らしくて。

2020年にこの映画が公開されたときは、コロナ禍でリアルな観客と一緒に観ることができませんでしたし、Short Shortsの会場にも行けませんでした。

だからこそ、観客と一緒に作品を観て、彼らの感想を聞けたことは、私にとって大きな意味がありました。

さらに素晴らしかったのは、エンターテイメントディレクターのマイケルさんとそのチームがとても親切だったことです。船内のモニターやパンフレットに自分の名前と作品名が載っていたり、客室内テレビでも放映されたんです。

滞在中ずっと、乗客はTVをつければ私の映画やトークを観ることができました。今までテレビに出たりインタビューを受けたことはありますが、こうして一つの船という「閉じた空間」で、観客が自由に自分の作品にアクセスできるというのは、すごく個人的で特別な体験でした。

今後の予定は?

今は、14年かけて開発してきた初の長編映画『Ballad of the Half-Boy』のポストプロダクション作業の合間にいます。

なので、今回の船上上映に招待されたのは、まさに「強制的な休暇」でしたが、とても必要なものだったとも感じています。

仕事の一環ではありましたが、この機会にリフレッシュできたおかげで、長編映画の完成に向けて、よりエネルギッシュに取り組めそうです。

ShortShortsへのメッセージをお願いします。

Short Shorts Film Festival & Asiaへ、あらためて本当にありがとうございます。

2020年に私の映画を選んでくれたこと、信じてくれたことに心から感謝しています。当時はコロナ禍で参加できませんでしたし、作品はノミネートされたものの、アカデミー賞には進めませんでした。

だからこそ、今回こうしてクイーン・アンで上映の機会をいただけたことは、本当に素晴らしい、夢のような体験でした。

そして、ショートショート フィルムフェスティバル & アジアのプロデューサー、ドラゴンさんと出会えたこと。彼の短編映画への情熱やキュレーションのセンスを知れたことで、この映画祭の「心」の部分を深く理解することができました。

いつか東京でショートショート フィルムフェスティバル & アジアに直接参加できる日を楽しみにしています。

今回のクルーズで選ばれた短編映画たちも本当に素晴らしく、このフェスティバルが若い映画監督や短編映画を愛する人たちにどれだけの影響を与えているかを改めて感じました。

ありがとうございました。

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