「Road to Cannes 〜カンヌへの道〜」開催。深田晃司監督、河瀨直美、別所哲也が若手映画人とディスカッション

「Road to Cannes 〜カンヌへの道〜」開催。深田晃司監督、河瀨直美、別所哲也が若手映画人とディスカッション

現在開催中の第4回なら国際映画祭にて9月18日(日)、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)となら国際映画祭による、国際的に活躍できる監督・プロデューサーを育成するプロジェクト「Road to Cannes 〜カンヌへの道〜」を開催しました。

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このイベントでは12名の若手映画監督が参加し、『淵に立つ』で第69回カンヌ映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した深田晃司監督、なら国際映画祭エグゼクティブ・プロデューサーの河瀨直美さん、SSFF & ASIA代表の別所哲也が、海外諸国と比べて国際的に評価される映画を作る若手映画人が少ない日本の今の状況に対し、日本の映画界には何が足りないのか、どうすれば次世代の映画人が国境を超えて羽ばたくことができるのかをディスカッションしました。

 

「映像作家が世界で羽ばたくためのことについてしゃべる場所を作りたかった。何を発信すれば世界の人は振り向いてくれるのか」という今年のカンヌ映画祭で短編部門の審査委員長を務めた河瀨監督が口火を切り、それを受けて別所は「日本人が持つおくゆかしさから”良いモノを作れば黙っていても認められるはず“と考えている方もいると思うんですよ。ただ、それではいけない」SSFF & ASIAを18年間続けてこれたのは、プロデューサーやスタッフを含め、色んな出会いをカタチにしていくことも必要だったと語りました。

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深田監督からは2008年のローマ映画祭に自主制作した映画がノミネートされたことが活躍のきっかけであり、加えて、世界を相手にアピールするには自分の言葉をもっているかも重要だと熱を込めました。『淵に立つ』がカンヌにセレクションされたのは、何を伝えたいのか、何を描きたいのかというステートメントが決め手のひとつになったそう。また、ヨーロッパや韓国は制作に対して国からの助成金があるのに対し、資本主義をおいもとめる日本映画界の構造が若手育成を阻んでいる現状と制度設計の必要性について言及しました。

 

参加監督からの企画プレゼンでは白熱した議論が展開され、深田監督、河瀨さん、別所の3名のマスターからのコメントからは、世界を目指す若手映画人の育成に対する強い意欲を伺えました。

 

6月のショートショート フィルムフェスティバル & アジアで開催した河瀨直美監督による「マスタークラス 足元を掘り下げれば世界につながる」の動画を公開中です。