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19歳でミス日本に選ばれた伊比監督は、その後映画の脚本を学び、渡米。ニューヨーク大学大学院(NYU)映画学科でこの作品を作った。映画制作の道に飛び込んだ動機について、彼女は「もともとエンターテインメントに興味があったんですね。小学校の頃、学芸会の脚本を書いて演出したり。ミス日本に選ばれたあとは、歌や演技のレッスンを受けたり、ミュージカルに端役で出たりしました。いろいろなことに少しずつトライしながら、やっぱり自分は作る側になりたいと思った。アメリカに渡ったのは、日本だと10年ぐらい助監督をしなければいけないというイメージがあったことと、アメリカに住んでみたかったから(笑)」と語る。
この映画は演劇クラスに通うユダヤ系アメリカ人のお年寄りたちを追ったものだが、彼らにはいったいどのようにして出会ったのだろうか。
「この演劇クラスの先生が、私が通っていたNYUでも教えていたんです。あるパーティでお年寄りたちとも出会って、非常にバイタリティのある彼らに一目ぼれしました。出会った1週間後にはビデオカメラを買って撮影を始めてましたね。彼らは最初から心を開いてくれました。撮影以外でも、一緒に食事したり、『今日はダンスがあるから来ない?』と誘ってもらったり。友だちのように接することができました」
次回作は、と聞くと、「テキサスの高校のチアリーダーたちを追ったドキュメンタリー。その後は長編のフィクションに取り組みたいですね」という答えが返ってきた。
最後に、伊比さんのような映画監督を目指している女性にアドバイスをいただいた。「片手間にするのではなく、本気でやりたいことを続けてゆくこと。やってみてだめだったらそれでもいい。まずは信念を持ってトライしてみてください」
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