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American Short Shorts Film Festival 2001
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6.4 in TOKYO

11:30 トークイベントB開催!

Photo 映画祭4日めの今日は、トークイベントで幕を開けた。テーマは、「フィルムVSデジタル」。第1部では、ティム・バートンのストップ・アニメーション作品「Vincent」を鑑賞した後、デジタルによる特殊効果を取り入れた作品「The Ballad of Little Roger Mead」のマーク・カーター監督と「The Hook-Armed Man」のグレッグ・チュチャック監督が登場し、デジタルの存在について語った。 「どんな作品にデジタルが合うのか」、という質問に、カーター監督は
「まずはストーリー重視で、フィルムを使うかデジタルにするかは予算次第だと思う。映画は今後デジタルによる特殊効果がどんどん取り入れられていくと考えられるので、デジタルを使う割合は増えてくるのではないか」と、
チュチャック監督は、
「デジタルで、今までフィルムではなしえなかったことが実現できると思うし、マークの作品も、クライマックスの嘔吐のシーンはデジタルでなければできなかっただろう」とそれぞれ述べた。

また、「CDがレコードに取って変わったように、デジタルもフィルムに全く取って変わってしまうと思うか」という問いには、カーター監督は
「私自身、デジタルを支持しているが、フィルムもたくさんの人に愛されているし、どれだけデジタルが主流になっても、フィルムは生き続けると思う」と、
チュチャック監督は
「私はマークほどデジタルファンではないが、よりフィルムっぽい映像に仕上げるためにデジタルビデオを用いることもあるし、ビートルズの曲を、デジタルによってよりクリアに蘇らせることもできる。デジタルは非常に有効な手段だと思う」と語ってくれた。


12:30 映像プロデューサー 片桐襄二さん登場

Photo 続く第2部では、「ひょっこりひょうたん島」や「ひらけ!ポンキッキ」を手がけてきた映像プロデューサーの片桐襄二さんが登場。LEGOなどを使った彼のストップモーション作品を上映した後、映像業界におけるデジタルの現状と未来について語った。
「リニア(実際のフィルムによる編集のこと)からノンリニア(パソコン上のデジタルデータで自由に編集すること)に変わり、映像づくりは時間の面でも費用の面でも非常に簡単になった。今はデジタルビデオカメラとパソコンさえあれば誰でも映像が作れる時代。はさみで切ったり貼ったりするフィルムの編集作業に比べ、ノンリニア編集は、デスクトップで手間をかけずにいくらでも切り貼りや入れ替えができるし、画質の劣化もまったくない。しかし、映画館のスクリーンで見るために、フィルムはあと最低でも2、30年はなくならないと思う。だが、個人レベルで作るにはデジタルのほうがはるかに簡単にできる。個人的な作品づくりにおいては、デジタルはさらに発展していくのではないだろうか」と述べた。
また、これから映像作家を目指す人に対して
「昔はいくら才能があっても、環境に恵まれなければ映画は作れなかった。でも、今は感性さえあれば誰でも映画が作れる時代。映画作りになんの制約もなくなってきたこれからは、すごい作品がどんどん出てくると思う。プロとアマチュアの分類もなくなってくるから、プロはもう、プロという名に甘んじてはいられない。“費用がなかった、時間がなかった”という言い訳もできなくなりますね」と語ってくれた。


13:00 日本初上映!「おはぎ」のデヴィッド・グリンスパーン監督、緊急来日!

Photo 第3部では、今年のカンヌ映画祭の短編部門でパルムドールを受賞した「おはぎ」が上映され、デヴィッド・グリンスパーン監督と主演の宮川竜一くんが登場した。
学生時代、京都に留学していたというグリンスパーン監督は、1930年代の日本を舞台にした「おはぎ」を日本ではじめて上映することについて、日本語で「緊張しています。他の国では気づかれない(時代考証の)まちがいなどが、日本ではわかってしまうから(笑)」とコメント。
カンヌで受賞した瞬間の気持ちについては、
「名前が呼ばれたときは、嬉しかったけれど“次回作をどうしよう”というプレッシャーも感じました」と答えた。
「おはぎ」を撮ろうと思ったきっかけは
「この作品は小泉八雲の短編を元にしました。主人公に共感できたことがまずひとつ。それに、僕はアンパンが大好きで、最初はおはぎをアンパンのことだと勘違いしていたので、撮ろうと思ったんです(笑)」。
松田聖子さんの愛娘、沙也加さんを起用したことについては、 「この作品はロスで撮ることになったので、プロデューサーとともにロスのあちこちの日本人学校に行って、オーディションのチラシを配りました。たまたまロスの南部で、夏のプログラムを受けていた沙也加さんが、そのチラシを目にし、応募してきたのです。オーディションで、演技がすばらしかったので採用しました。採用後にはじめて、その学校の校長先生が、彼女が聖子さんのお嬢さんだということを教えてくれたのです。私自身、日本にそれほど長くはいなかったので、彼女のお母さんの人気を知らなかったし、沙也加さんも他の子どもたちと楽しそうに遊んでいるごく普通の子だった。彼女は非常に頭のいい子だったので、とてもよい作品に仕上がったと思います」と語った。 また、宮川竜一くんは、
「ロスの日本人学校に行っていたときに、学校でオーディションのチラシが配られて応募した。撮影はとっても楽しかったし、これからも俳優をやっていきたい」と話してくれた。今は日本に戻り、中学1年生の竜一くん。勉強は難しいけれど、毎日が楽しいそうだ。 おはぎが大好きという彼は、「デヴィッド監督とおはぎとどっちが好き?」と聞かれ、「デヴィッドのほうが好き!」と答えていた。


16:00 インターナショナルプログラム 来場者インタビュー

Photo インターナショナルプログラムを観ていただいた3人組に感想を伺った。
ショートフィルムを観るのははじめてという京子さん(左)のお気に入りは、父親と息子の気持ちのすれ違いを描いた「Sons」。
「うちにも25歳と20歳の2人の息子がいます。上の息子は10数年前にイギリスに留学し、そのまま向こうで働いていて、ちょうど2週間ほど前に帰国したばかり。ずっと離れて暮らしていたので、今まさに、映画のように親子の関係がよくつかめずにいるところなんです。だから息子とだぶりましたね。今日、たまたまこの作品を観ることができて、本当によかったです。監督は24歳ということでさらに驚きました。自分の息子にもぜひ見せたい」と話してくれた。
また、去年はじめて映画祭に来て以来、ショートフィルムにすっかりハマってしまったというあつこさん(中)は、
「もういくつかのプログラムを観たんですが、特によかったのは“Sunday Afternoon”。主人公のふたりのやりとりがよく表現されていて、役者の演技もうまかった。それから“The Fool”も意表をつかれましたね。ショートフィルムは短時間なのに中身がとても濃い。気軽に作られているようでいて、作り手のメッセージがとても伝わるのが魅力ですね」と語っていた。
あつこさんの娘さんである孝恵さん(右)は、
「“Walking on the Wild Side”が気に入りました。アニメーションの“Infection”も、短いのに楽しかった。ふだん、映画は新作をジャンルを問わずに観ています。ショートフィルムは気軽に観られていいですね」と話していた。


映画祭4日めのスナップ

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平日にもかかわらず、今日もたくさんの方が見に来てくれた
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別所さんにサインをもらう、「おはぎ」の宮川竜一くん
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「おはぎ」の初上映に、約30社のマスコミが詰めかけた


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